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ネオ・スリー ブリッジ スケルトン トゥールビヨン

15/1/18

ネオ・スリー ブリッジ トゥールビヨン モデル初のスケルトンバージョン、ネオ・スリー
ブリッジ スケルトントゥールビヨンを発表するにあたり、ジラール・ペルゴは、時計学の建築分野において新しい試みを表現しています。

重力、質量と不透明感をものともしない、ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、ジラール・ペルゴのデザインや時計制作とそのスタイルへのアプローチの意義を、自信を持って強く主張しています。

ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、すらりとした黒くて精密な、丸みをつけられたブリッジが交差しています。ブリッジの曲線と切り込みは、視覚的効果の構造を際立たせ、信じられないほどスリムな機械構造を支えています。

極めて優美に引き伸ばされた主要部は、この複雑なキャリバーの極端な透明性が、表現を難しくしています。断崖絶壁の上にケーブルのように伸びているスケルトン状キャリバーは、壮大さではフランス南部のミヨー橋、透かし細工や鉄塔の官能的な輪郭はラバトのムハンマド6世橋、醸し出すバランス感覚はオーバースティーク・ブルック、といった世界中のモニュメントや建造物になぞらえています。

Neo Tourbillon with Three Bridges Skeleton
Neo Tourbillon with Three Bridges Skeleton
Neo Tourbillon with Three Bridges Skeleton

ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、ジラール・ペルゴのいくつかの基本原理が自然に発展したものです。一つ目の基本原理は、1884年に取得した特許である文字盤側にスリー・ブリッジ トゥールビヨンが備わった、『スリー・ゴールド ブリッジ』の基礎となる原則と、ジラール・ペルゴの素晴らしい時計づくりの独特な特徴です。次に、1998年以来、ジラール・ペルゴが取り組んできた、このタイプのムーブメント用のスケルトン仕様です。そして三つ目は、ネオ・スリー ブリッジ トゥールビヨンの2014年の登場でした。こちらは、ストレートでもフラットでもゴールド素材でもなく、代わりにアーチ状で、ピンと張りつめて、丸みを帯び、透かし加工が施され、カラーはブラックとなりました。これらの技術的および審美的な特徴は、現代の高級機械式時計の模範的な具現化となってきました。ジラール・ペルゴのアイデンティティの3本の柱を組み合わせることで、ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンが誕生したのです。

 

このモデルは、15.85mmの厚さのある直径45mmのチタンケースで登場します。豊かな曲線と、大振りなガラス張りの部分で、この外殻構造はあたかも時計のモニュメントを眺めるパノラマ展望台のようです。サテン仕上げが施されたふっくらとしたケースバンドは、ベゼルが全くないことではっきりと特徴づけられています。磨き上げられたラグは、急激に湾曲させるために、ケースの高さに設置されています。ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンが、細い手首であってもぴったりと沿うことができるのは、この曲線のおかげです。時計と着用する人、この不可欠な人間工学的要素が整合するのは、建築家たちが設計したすべての作品の機能的な使用方法と、人々にサービスを提供するための献身的な考え方を思い起こさせます。

 

建築学に基づく構造は、ジラール・ペルゴの作品の中に常にある要素です。ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、芸術的な構造の最深部にある要素を伝えます。チタンではなくサファイアクリスタルを主体とするこのケースは、透明性という原則に基づいて、ムーブメントが最大限見えるよう構築されています。文字盤側のクリスタルサファイアは、ボックスタイプで、急角度でカーブし凸状になっています。それは保護ドームのように、角度を変える前に時計の心臓部であるムーブメントをカバーするためにケースから垂直に立ち上がっています。裏蓋のサファイアクリスタルも凸状であり、つまり、側面からみると、ネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、2枚のサファイアクリスタルの突起で囲まれた、サテン仕上げでマットな外観になったグレーカラーのメタルの集合体なのです。建築学上、これらは建築の『スキン』と称されます。この技術的および視覚的な層は、透明性を確保し、建造物に強度と形状をもたらす補強材の内部ネットワークを明らかにしながら、その構造を目に見えるようにします。この場合、サファイアの層は、時計づくりという舞台で主役を演じるだけでなく、構造上の必要条件と独特なジラール・ペルゴのスタイルを表現する上で、非常に重要な役割となります。

 

これらの傷防止コーティングが施された複雑で科学的に純粋なサファイアクリスタルは、結果として、自社製キャリバー9400を再構築したムーブメントGP9400-0011の構造を露わにしています。この再構築は、主に地板を取り去ることを含め、スケルトン状に加工することで成り立っています。まるで地面が足下からなくなったかのように、ムーブメントは2層の空間の間でとどまっています。特定の不可欠な固定部分は残っていますが、不透明でしっかりとした保持装置構造は、姿を消しています。さらに詳しく見ると、透かし細工でポリッシュと面取り加工が施されたブリッジを、キャリバーの構造の中まで留めているネジがあります。これらは、見事な技術的実証および、深く固定する吊り橋の支柱のようなものなのです。

 

ジラール・ペルゴ製の他のスケルトンモデルとは対照的に、ネオ・スリーブリッジ スケルトントゥールビヨンは、透かし細工で写実的な輪郭を作りだすのはなく、代わりにブリッジを完璧に表現するために素材を取り払っています。キャリバー9400が固定されたムーブメントの地板の一番下の部分まで、ここは2つのブリッジによって置き換えられています。後者は文字盤側と全く同じで、目立つブリッジに基づいた初の構造です。この2つのブリッジは、歯車列(中央)とトゥールビヨン用(6時位置)を支えています。微妙なアーチ型の形状が、ムーブメント全体の厚みをわずかに増幅させます。

 

さらなる厚みを吸収するために、スリー・ブリッジ ネオ スケルトン トゥールビヨン自体が9.54mmの厚さになっています。チタン製のケースサイドを変えずに、この増幅は2枚のサファイアクリスタルの膨らんだ部分にのみ影響を及ぼし、つまり、厚みは透明な部分だけに収まって、視覚的に一目瞭然で手首にも感じられません。

 

物理的な軽さは、視覚的な軽さはスケルトン加工によって作られながら、サファイアクリスタルとチタンの軽量化と、最小限の素材の利用によって実現しました。ブリッジは、キャリバー全体のクリアーな印象を与えます。チタン製ケースはサテン仕上げと、PVD処理でブラックカラーに仕上げられています。立体的なフォルムは非常に複雑で、内角やアーチ、拡張や張りだしたフォルムで構成されており、機械加工自体が時計製造の素晴らしい偉業と言えます。その結果、自由かつ官能的で、厳格で力強いフォルムとなっています。

 

これらブリッジの間を、香箱に蓄えられた力とトゥールビヨンの調整効果、エネルギーと情報の交換を追跡するのが、時計づくりの二つのテーマとなります。前者は、この内部構造の独特な部位である香箱と同軸上に配置されたマイクロローターによって巻き取られます。このずっしりとしたホワイトゴールド製のマイクロローターの高い慣性が約60時間のパワーリザーブを実現しています。運動連鎖の端に、ジラール・ペルゴのトゥールビヨンがあります。この80個の部品は、操作の自立性を保護しながら摩擦を軽減するためにチタン製となっています。ひげぜんまいとスイスレバー脱進機を備え連結された直径の大きなテンワが駆動することで、毎分1回転します。キャリッジの総重量は、全部で0.25gしかありません。

 

しなやかで、軽やかかつ堂々たるネオ・スリー ブリッジ スケルトントゥールビヨンは、ジラール・ペルゴの近代的な優れた技術力を表しています。その構築的なインスピレーションは、優雅で人類の英知の壮大さを表現する斜張橋(ケーブルで吊って支える橋)を想起させます。スリー・ブリッジ ネオ スケルトン トゥールビヨンは、時計学的な重要性の点から見て、非の打ちどころのない工学技術の快挙なのです。これはまさに、高級時計製造のうちもっとも価値ある主導者のひとつであるジラール・ペルゴと近代的なデザインという二つの分野を繋ぐ架け橋です。